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PBN No.128コラム「短い冬の、ちょっとした楽しみ」

 6月に入り、すっかり冬到来を思わせる気候になると、街のあちこちで出店がオープンし賑う。出店はこの時期限定が普通、公園の周りでは主に町内会の人たちが、カトリック教会の建物前では教会の信者が、その他にも個人ベースで奥様方がごく簡単な屋台を広げて、パラグアイの伝統料理をそれぞれの場所で調理し提供している。

料理は主に、マンディオカ(タピオカ)のでん粉とトウモロコシ粉、調理用チーズ、肉などを食材にした伝統食品、つまりチーパ、チーパカブレ、ベジュ、パステル・マンディオ、パジャグア・マスカダといった物で、朝食や夕方の軽食などとしてよく食べられている、ポピュラーなパラグアイアン・ファーストフードである。

 現在では、年間を通しこのようなファーストフードを提供するカフェも多くあるが、街角の路上で販売されている方が価格もリーズナブルで、調理風景を見られるのも楽しみの一つである。チーパだけはオーブンが必要だが、その他の焼き・揚げ物は大概、ブリキ製の代用七輪を使って炭火で調理している。

ベジュは、粉状の材料をフライパンで焼きながらまとめていき、ホットケーキ風に仕上げる。また、チーパカブレは木の棒に練ったでん粉ベースの生地を巻きつけて、炭火で直接焼き上げるので見ていて楽しい。路上でこのような屋台を見つけたら、是非立ち寄ってみてはいかがだろうか。

 そして、6月は伝統的“San Juan”のお祭りの月でもあり、学校やカトリック教会、自治体はそれぞれの場所で、また近年では大型ショッピングモールの駐車場などでも開催され、パラグアイ伝統の料理や音楽、ダンスを楽しめる。もちろん調理風景も見られるので、パラグアイ文化を丸ごと堪能したい方にはお勧めである。YM

       賑う出店

       チーパ・カブレまたはチーパ・アサドル

       パステル・マンディオ(左)とパジャグア・マスカダ(右)

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