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PBN No.222コラム『南米で最も古いスペイン文化センター』

 ウイルス感染の恐怖に身を晒しながら、最前線で休みなく対応してくれている医療関係者やスーパーの従業員、食料品、医薬品に関わる方々には感謝しきれない。  

 しかし、Semana Santaが明けるより先に、Covid-19拡散防止のための自宅待機が19日(4/17現在では26日まで)まで延長となり、うんざりとしてしまった人も多いだろう。感染を食い止めるべく、不要不急の外出を控え、仕事もリモートワークに切り替えるなどして、自宅で過ごす時間にだんだんと飽きが来ている頃ではないだろうか。暗いニュースの多いテレビを離れ、学生時代の長期休暇のように、時間を気にせずネットで映画や動画を楽しんでいる人も多いだろう。制限のあるこんな時こそ、想像力を駆使して家の中で楽しめる、或いはいつもならしないことに手を出してみるのも良い。


 自宅待機の期限が決まっているとはいえ、すぐにもと通りの生活に戻るとは考え難い。ネガティブな思考に支配されそうになった時、気持ちを切り替えてさせてくれるのはいつも音楽だった。不安な気持ちを忘れさせてくれるのは、映画やゲーム、本の世界だった。真っ先に経済的ダメージを負ったのはエンターテイメント業界だが、今この期間の孤独を乗り越えるためにそれら芸術分野がどれほど精神的支えとなっているか計り知れない。


 アスンシオンのセントロにある「Centro Cultural de España Juan de Salazar」は、南米で最も古いスペイン文化センターだ。普段は現代アートの展示会や演劇、コンサートなど様々なイベントが行われている。

 当施設は政府の自宅待機指示を受け、延長前の14日間に毎日一人ずつ、スペインやパラグアイの14人のアーティストの作品を紹介するキャンペーンに参加している。物理的疎遠をしいられる検疫期間を耐えられるように、創造性を共有しようという取り組みだ。詩人、作家、ミュージシャン、シンガーソングライター、イラストレーターらがそれぞれの表現方法で1〜3分程度の動画をシェアしている。あるスペインのサックス奏者は自宅のバルコニーから演奏する様子とメッセージをあげ、あるパラグアイ人の詩人は「みんなで家に居ましょう」とグアラニー語で詩を詠んだ。このキャンペーンは「#QuedateEnCasa」と同じように、SNS上でハッシュタグ「#14Días14Artistas」で拡散されている。


 また、Juan de Salazarの「#QuedateEnCasa」の特設ページではデジタルライブラリを紹介している。各国の国立図書館の資料を閲覧できたり、プラド美術館をバーチャル訪問できたり、様々な舞台や短編映像、PDFデータでコミック作品も鑑賞できるページを紹介している。

 これらのオンラインサービスは、直接、経験することで得られる感動や情報量に比べれば僅かなものかもしれない。しかし今後、このようなサービスやシステムはどんどん増え、利用する機会も増えることだろう。それらを上手に利用して、インプットすることにも飽きてきたら、自らの創作活動に没頭するのもお勧めだ。IT


入口側の大きなドット柄の壁


WEBページ

図書館前の中庭


Juan de Salazarの図書館


Centro Cultural de España Juan de Salazar

住所:Tacuari 745, Asunción


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