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PBN No.217コラム『8MPY:国際女性デーのパレード』

 パラグアイの女性は逞しい。この国ではそんな言葉を誰もが一度は聞いたことがあるのではないか。かつて戦争で多くの男性人口を失ったパラグアイ、激しい戦闘の第一線で男性たちと共に戦い、戦後の国の再建にも大きく尽力したのはパラグアイ女性である。そんな歴史を辿ってきた現在のパラグアイではあるが、女性が権利を得るまでは長い道のりがあった。今も尚、訴えは続いている。


 3月8日の国際女性デーは、1904年にアメリカで女性労働者たちが婦人参政権を求め起こしたデモ行進に由来しているという。また、第一次大戦中のロシア帝国においては、国際女性デーに起きた「二月革命」と呼ばれるデモが、帝政に大きなダメージを与えた。そんな日に、パラグアイで2017年から毎年開催されているパレードについて、今回は紹介したい。8MPYという団体が主催するこのデモでは、女性の雇用形態の向上や、農村部における問題、従来の種の保護などを含むインディヘナの権利、ベビーシッターや家政士などの労働環境向上、平等、暴力からの解放などを訴え、Plaza de la DemocraciaからCostaneraまで行進する。

 パレードには、女性の権利団体、高校生、若者、農村部に暮らす女性たち、インディヘナ団体、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダー、セックスワーカーなどが、それぞれの立場からの訴えを掲げ、権利と平等、暴力からの解放を求めて参加する。

 女性はどうあるべきか。日本では家庭を守り、奥ゆかしく、気配りのできる女性像というものを未だに追い求めているところがある。こんな議論自体が男性的視線であり、「モテ~」などといったメディアの生む流行に左右されている女性像が日本には横たわっている。南米に暮らしていると、奔放で力強い女性たちによく出会うが、彼女たちはステレオタイプの女性像と闘い、平等の権利を主張し、少しずつ女性としての在り方をつかみ取って来たのだと、私たちは知る必要がある。


 多様化の進む現代で、変容する性の在り方を共に考え、誰もが疎外されることなく、暴力に怯えることなく、より良く生きる為に、パラグアイの逞しい女性たちの訴えに耳を傾けてみてほしい。

母なる大地を守るために参加した女性たち


テーマカラーの紫でコーディネート


多くの女性たちがセントロを行進した


8MPY

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