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PBN No.127コラム「首都近郊の新観光名所、“Cerro Ñemby”」

 首都アスンシオンから約20km、車で約1時間、アスンシオン郊外のÑemby市。

多くの人が暮らすこの町、アスンシオンに通勤可能な郊外都市として人口増加が顕著だが、まだパラグアイ独特の自然が残っている。若者が多く集まる町の中心地の活気と、郊外の町ならではの自然と風情はとても心地良い。

町の中心の公園から、バスで5分程の所に“Cerro Ñemby(ニェンブの丘)”という、隠れた観光名所がある。アスンシオン近郊には山が無いため、このような丘は市民のリフレッシュ・スポットとして人気も高く、ハイキングに訪れる人も多い。しかしながら、目立った標識も看板は無く、地元の人に聞かないと、辿り着けない。観光情報を得るのが難しいパラグアイ、やはり一筋縄ではいかない。

Ñemby市Caaguazú地区、バスが走る大通りから小さな路地を数分歩くと、丘の管理事務所がある。入場無料だが、荷物検査の他、一眼レフなど大きなカメラの持ち込みにはチェックがあり、身分証提示や書類記入が必要なこともある。銃器、アルコールの持ち込みは禁止で、駐車場はあるが、車での立ち入りは禁止。管理事務所を抜け、少し歩くと丘の中心部にある小さな溜池が見える。

海抜169m、高さ約250mのこの小さな丘は、1963年以降、採石場が開かれ、建材や道路用に多くの石材が採掘され、石資源の80%は消失したと言われている。2016年に周辺住民のデモにより、採石会社による採掘は停止され、その後、自治体が丘の大部分を買収したことにより、観光地開発がされている。削り取られた箇所には雨水がたまり、エメラルドグリーンの池となって、今後、環境保全の公園として利用されるという。

池の周りを見て回るだけでなく、丘に登ることもできる。整備はされていないが、丘の上には細い小道があり、発掘後に残されたコの字型の丘の上を散策することができる。子供も楽しめるハイキングコースとしてちょうどいい。頂上では丘の美しい地層面を望みながらマテ茶を飲み、くつろぐ人々も多い。また、丘上の遊歩道は昆虫や爬虫類など様々な生物の観察に最適である。

首都近郊の新しい観光名所として、再開発が始まったばかりの“ニェンブの丘”には、今後も安全に考慮した遊歩道や、子供の遊び場の設置が予定されているという。TT

頂上から眺める美しい地層

池の周りを散策する親子連れ

昆虫や自然の生物が多く生息している

今も残る採石施設跡

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