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PBN No.122コラム「ベネズエラ料理、“Cachapa”」

 日本で暮らしていれば、世界各国の料理を比較的容易に味わうことができる。メキシコのタコスやブリトー、ジャマイカのジャークチキンなど中米料理は人気が高く、また、アフリカ、ヨーロッパ、中東、アジア、地域を問わず郷土料理店は、新しいものに敏感な日本では話題のスポットとなる。しかしながら、南米料理はあまり馴染みのあるものではないであろう。

パラグアイの郷土料理も当地に来て初めて知ったものばかりだ。ブラジル料理とアルゼンチン料理を除いて、南米各国の料理を日本で食す機会はあまり無いと言える。そこで、エスニック料理を好む日本人も見聞きしたこともないであろう、ベネズエラ料理“Cachapa”を紹介したい。

実は、パラグアイ人はあまり海外の文化に柔軟とは言えない。特に“食”に関しては保守的で冒険をしない。彼らに日本食や食材をプレゼントしても味見もしないどころか、拒否されることもある。しかし、今では当地に移民コミュニティがある韓国、台湾、日本食レストランは、健康ブームもあってか人気が高く、いたる所で見かける。反対に、距離が近いにも関わらず、街中で目にすることの無い『ベネズエラ料理』の看板を見かけ、思わず立ち止まった。

日系人も多く暮らす首都アスンシオンのSan Pablo地区、De La Victoria通り、3 de Noviembreというサッカー場の斜め向かいに“Amandau”というアイスクリーム・チェーン店がある。毎日18時を過ぎるとこの店の前に、見慣れない食べ物を販売する屋台が現れる。“Comida Venezolana Cachapa(カチャパ・ベネズエラ料理)”と書かれた手書き看板、食事用のテーブルと椅子が数セット、鉄板と調理台だけのベネズエラ人夫婦が営む簡易屋台である。

聞くと深刻な経済危機の続くベネズエラを離れたのは6ヵ月前、子育てに良い環境を求めパラグアイに移住、先月からこの場所で“Cachapa”屋台を始めたという。

メニューは“Cachapa”という、ベネズエラ風お好み焼きのみ。コーン粉100%の生地を丸く焼き、バターをたっぷり塗って、肉とスライスチーズを乗せ半分に折る。チーズとチーズソースをトッピングしていただく。肉は、牛、豚、鶏、3種ミックスと好みに合わせて選ぶことができる。コーンの甘い香りのする生地と味付け肉、チーズの相性は抜群で、これまで食べたことのない味わいが楽しめる。

つまり、コーン、肉、チーズのコラボと言えば大人から子供まで鉄板の人気フレーバーである。子供にも人気が高く、大衆受けする『南米のソウルフード』と言っても過言では無い。日本でも流行りそうな南米ソウルフード、“Cachapa”をぜひお試しいただきたい。TT

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