PBN No.102 コラム「バスで行く手軽な国外旅行、アルゼンチン・レシステンシア!」
著しい経済成長を遂げているパラグアイ。近年、ヨーロッパやラテンアメリカ諸国から夏バカンスを利用し訪れる人も多い。そんな中、今回はパラグアイからバスで行くリーズナブルな国外旅行を紹介したい。
南米諸国の各主要都市間は高速バスで繋がっていると言って過言ではない。アスンシオンのバスターミナルから、あらゆる目的地に高速バスが毎日運行されている。その一つにアルゼンチンの北部のChaco州Resistenciaという街がある。アスンシオンから時間にして約6時間、17ドル程度のバス代で訪れることができる。
彫刻の街として知られるResistenciaはアルゼンチンの片田舎の街とはいえ、アスンシオンに比べると整備され、近代的イメージである。食費や滞在費はインフレが加速するアルゼンチンを象徴し高値ではあるものの、米Walmartや仏Carrefourなど世界的ブランド店もあり、衣類や嗜好品は比較的安く手に入れることができる。
アルゼンチンの都市は街の中心に大きな公園があり、それを中心に教会、役所などが建てられ、フランス・パリを彷彿とさせる放射状の街づくりがなされている。ここも例外ではなく、近代的で洗練された雰囲気を持ち合わせた街の中心部には歩行者専用のショッピングストリート、そこから外れると小さな商店が立ち並ぶ下町、そして住宅街とコンパクトに凝縮された都市設計が見られる。
特に目立った観光名所は無いものの、街はずれには空港もあり、首都ブエノスアイレスへのアクセスもいい。また、パラナ河を挟んで隣接するCorrientes側の河川敷にはビーチがあり、市民の集いの場となっている。Corrientesには多くの日系人が暮らし、日本人会もあるという。Resistencia ・Corrientes間は市バスが通っており、日帰りでビーチを楽しむこともできる。
釣り好きの人には是非とも、パラナ河での釣りをお勧めしたい。Resistenciaから車で120km、2時間程南下するとLas Toscasという街がある。Las Toscasから隣町Villa Ocampoにかけては知る人ぞ知る釣りの名所であり、アルゼンチン国内ないし、世界中から釣り人が集まってくる。
また、手つかずの自然が残るパンタナル(湿原地帯)で暮らすガウチョ(アルゼンチン版カウボーイ)の管理する土地へは車一台約5ドルの手数料で入場できる。そこには、SurubíやDoradoなどの魚はもちろん、カピバラ、ワニ、トカゲ、ホエザルなどの野生動物達も数多く生息する。
イギリス植民文化が多く残るこの地域はQuebrachoという『世界一固い木』が茂り、昔は世界各国に鉄道線路の枕木として輸出されていたという。一帯には入植したイギリス人の作ったQuebrachoによる橋や建造物跡が多く残っており、これも必見である。現在では相次ぐ伐採につきQuebrachoは激減した。訪れた際は環境を考慮し、ポイ捨てをしない、食べる魚以外はリリースする、動植物を持ち帰らないなど、自然の生態系に害を与えない行為に心がけたい。
この夏の避暑地として、パラグアイからバスで6時間、外資系チェーン店でのショッピングやアート探訪もでき、砂浜での水遊びや、レンタカーで足を延ばすとジャングルで自然動物までも堪能できる街、アルゼンチンのResistencia訪問はいかがだろうか。TT
<店舗情報>
住所:Asunción-Resistencia en Asuncion
所要時間:6時間(国境での入国手続きを含む)
https://www.busbud.com/es-419/autobus-asuncion-ciudad-de-resistencia/r/6ex006-6en5cb
Resistenciaのセントロ。横断歩道の向こう側は歩行者専用のショッピングストリート。
市街地のアートセンター。日本語で健康長寿と書かれた看板もある。ResistenciaからCorrientesにかけ日系が多く暮らしている。政府によって長い間、日本語使用が禁止されたアルゼンチン。近年、ようやく日系人のアイデンティティが認められ、今日があると移民二世の方が語ってくれた。
アルゼンチンのカウボーイ(ガウチョ)、Villa Ocampoにて。映画のような光景が広がる。
Resistenciaから120km南下したLas Toscasという田舎町からパンタナル(湿原地帯)を抜け、パラナ河をボートで探訪、天然記念物『Manduví』に出会う。