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PBN N.79 コラム「“パラグアイ日系社会高齢者福祉の現状”」

日本で、少子高齢化が叫ばれて久しいが、パラグアイ日系社会では少子化より、高齢者福祉が年々問題化しているようだ。

 そもそもパラグアイは子供が多く、祖父母の面倒は、家族ぐるみで看るものとされおり、高齢者福祉施設は少なく、設備が十分とは言えない。

 そんな中、先日参加した「2017年日系社会全パ日系社会高齢者福祉合同研修会」の様子を、まとめてみた。

 研修には、日本企業「株式会社つくばエデュース」の村上義孝 代表取締役も参加し、同社は茨城県つくば市に拠点を置き、介護・福祉サービス施設の運営や、40年以上の実績をもとに福祉介護人材の養成も行っている。村上氏の来訪は、JICA「中南米日系社会との連携調査団」に参加した2016年以来2度目で、今後、パラグアイでの事業展開も期待される。

 さて、合同研修には各移住地の福祉ボランティアが全国からアスンシオンに集い、各地の活動報告や、JICAシニアボランティアによる研修があった。ボランティアのほとんどは女性で、年齢は40〜60歳代である。

 現在、日系移住地での高齢者介護はビジネスではなく、ボランティアという慈善活動の為、課題や問題は絶えないという。一番大きな問題は、新規ボランティアメンバーの不足で、特に若い人材が少ないという。

 当然、若い世代は就労や子育て、自分の家庭で精一杯でボランティア活動に参加できないことは理解できる。そのうち、各移住地には日本人会主導の高齢者施設が必要となってくるであろう。

 また、活動のマンネリ化も問題になっていた。新規加入者が少ない結果、限られたボランティア人材でのデイサービス、レクリエーションやイベントもマンネリ化し、利用者側も新たな刺激を欲しているようだ。

 日本で社会福祉士であった岩崎JICASVは、専門的介護の講義ではなく、今後の日系社会の福祉問題にどう取り組んでいくかを、参加者自らが考える活動をプレゼンテーションした。

 2日間に渡るグループワークで、参加メンバーを架空の移住地の住人として4つに分け、各グループが2030年の移住地を想定し、課題や問題を列挙、その対応策、具体的な活動、必要な施設、サービスを話し合った。

 さらに、その具現化まで、一歩踏み込んで各グループは有用なアイデアを提示しあった。例えば、日会運営の高齢者も一緒に働くカフェ、老人ホームと温泉、ショッピングセンターも内包した欲張りな複合施設、高齢者同士で住まうシェアハウスなど、参加者も今すぐにでも実現したいものばかりであった。

 実際にどのように予算を獲得するかまで話し合われ、やる気次第では実現可能と感じた反面、この場限りで終わる可能性もあり、今後、移住地で取り組む時には、様々なしがらみや課題が浮き上がるであろう。

 私が師によれば、新しいことを始める時、何かを変える時には、3つの人材が必要と言う。それは「若者」、「よそ者」、そして「バカ者」だそうだ。

 多くの苦労を超えて日系社会を築いた移民第一世代が安心した老後を送るために、将来の高齢者(現在の若者)が、明日は我が身の危機感を持ち、知恵を絞ることが必要だと感じた。KT

岩崎SVの指導による体操レクリエーション、グループワークに疲れたところで体を動かしリフレッシュ

岩崎SVによるグループワーク指導

各移住地の高齢者福祉を支えるボランティアの皆様

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