PBN N.71 コラム「パラグアイの現代アートと先住民美術、『Museo del Barro』 」
今回、パラグアイでも数少ない現代アートの美術館を訪れてみた。
日本在住時、好きなアーティストの展覧会が来ると、よく美術館に足を運んでいたが、パラグアイに来てからは、その趣味を満喫できない寂しさもあった。
しかし、今回訪れた美術館は現代アートと先住民美術が数多く展示されており、これまでに足を運んだパラグアイの美術館で、特に印象に残るものとなった。企画展も頻繁に開催されているので、今後も注目していきたい。
”Museo del Barro”:
美術館はショッピングセンターやビル開発が進む新興地に程近く、Aviadores del Chaco大通りから1ブロック裏手に位置する。
正面入り口両サイドにはカフェを併設したミュージアムショップがあり、その間を通りぬけると、開放感のあるパティオ(中庭)が現れる。シンプルなファサード(外観)の内部は、“ロの字型”の建築様式となっている。
展示は主に、「パラグアイ人アーティストの現代アート」、「先住民の工芸品や衣装」、「パラグアイの工芸品」、「企画展」で構成されており、展示品数が多く、ボリュームがあるので、全体をじっくり観たら、一時間以上はかかるだろう。
世界的に活躍しているパラグアイ人アーティストは少ないといえ、展示されている作品には見る人を強く惹き付ける表現技術の高いもの、強烈な世界観を持ったものなど、世界に通用するものも多くあった。どの作品も、パラグアイ特有の土着性を発揮している。
入場無料につき、気軽に楽しむことができる。「芸術にはあまり興味がない」という人も、メイド・イン・パラグアイのアートを味わってみてはいかがだろうか。KT
<店舗情報>
住所:14 De Mayo/ casi Gral Diaz, Asunción
電話:021 607 996
Mail: info@museodelbarro.org
Web: www.museodelbarro.org
営業:水〜土/9:00-12:00, 15:30-20:00
専用駐車場:なし(近隣道路に路上駐車可)
*入場無料
建物はAviadores del Chaco大通りから、1ブロック入った閑静な住宅街の中に在る。
当館の中で最も大きな作品。木彫りの作品でその色彩と迫力に圧倒される。
先住民の工芸品(木彫や焼き物)や民族衣装コーナー、パラグアイ全種族のものが展示されている。
現代アートの展示室。天井が高く、白を基調とした空間は、先進国のミュージアムのように洗練されている。