ブラジル経済減速で輸送量25%減
パラグアイは南米第一位、世界第3位を誇るバージ船数をもっている。そしてパラナ河-パラグアイ河両水路を利用しパラグアイ貿易量の75%が輸送されている。
ウルグアイ港湾関係の2015年度評価では、パラグアイからウルグアイへのコンテナ移動数では前年比で16%増加していると言う。
しかし、パラグアイ海運業協会(ASAMAR)エルサ・ガマラ理事長によると、この状況でも最近のブラジルとアルゼンチン両大国の経済問題に影響され、鉄鉱石、冷凍肉などの貿易輸送が25%も減ったとのこと。
また世界的不況もあり、特にブラジルの内政問題や対ドルレートの通貨下落などが原因で、月によっては貨物量が50%も落ちることもあると言う。
パラグアイは2009年の世界的危機の以前から恵まれた経済環境が続いてきたが、今回世界的不景気とブラジル経済が最悪な状態になっているため我々の河川輸送業は大きな痛手を受けている。結果、積荷が不足しバージ船の約50%が岸に繋がれて停泊状態にある。
世界的には中国が経済成長率を上げ、主要穀物(大豆、小麦他)と原料資源の需要が拡大しなければこの状況は変わらないだろうとみられており、またパラグアイ牛肉の第一輸入国であるブラジルの経済もここ1年は厳しいとみられ、商品の価格下落もあると見られる。
また、わが国の河川浚渫と標識整備等の不足が水上輸送コストを20%も上げている。
しかしこの業界がこのような厳しい状況にありながらもパラグアイは依然と冷凍牛肉の大量輸出国であり、大豆輸出も900万トンに達し、カナダ、ウルグアイ、ボリビアなどを抜いて小規模生産国の中では1番の輸出量を誇っている。
(LN 160417 GI)