野菜農家が学校給食事業をバックアップ
パラグアイの法令1443/01号は、公立小学校での給食制度を義務付けるもので、幼稚園から小学6年生まで(パラグアイでは基礎教育の初等教育=幼稚園、第1サイクル=1~3年生、第2サイクル=4~6年生と分ける)各県の行政機関が各市町の役所を通して食材を確保し、給食を提供する制度を設けているが、県や市によってはなかなか実施できていない自治体もある。
通常は教育省が各地の県庁や市役所を通して食糧調達の入札を行い、業者と年間契約を結んで給食を提供するというシステムになっている。
しかし、場所によっては調理や味が悪いために子供が食べたがらなかったり、食材の横流しや、食材不足になったりと、管理体制が安定しておらず、どこの公立学校でも給食は大きな課題となっている。
また、入札で選ばれた食材供給業者は安い食材を求めて密輸品を購入したり、賞味期限が切れた古い食糧を買ってきたりと業者間の問題も後を絶たない。
こうした状況の中、パラグアリ県の蔬菜生産者たちは、政府に対して自分たちに給食の調達を委託してほしいと訴えている。これらの学校に通わせている農家の住民は、自分の家には野菜や果物が豊富にあるにもかかわらず、学校では業者が安く悪い食材を使ってばかりいるため、父兄が煮を切らしたようだ。
よく知られたラコルメナの蔬菜生産者コウイチ・ミヤモト氏は、「当地域には果樹生産者が多く、年中いろいろな果物が採れる。これは育ち盛りの子供たちの栄養補給に十分充てることができる」と語った。
彼はリンゴを4ヘクタールほど栽培しているが、リンゴの収穫期は学校が夏休みに入った12月なので子供たちのデザートに出してやれないと残念そうに話した。
パラグアイ県のミゲル・クエバス知事は、ここでは生産者からの協力や支援を得て充実した給食を提供できるようになってきており、昨年は1万3千500人の子供が恩恵を受け、今年は1万5千人になると語った。(ABC 160320 GI)