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PBN No.208コラム『ペルー料理の「Restaurante La Carossa」』


 師走の某日、本格的に忙しくなる年末前に気合を入れるべく、初めて「アンティクーチョ」を食べに行った。この名をご存知だろうか。南米大陸では一般的な肉料理である“Anticuchos”、その起源は16世紀前半にまで遡る。当時、新大陸に牛を持ち込んだスペイン人は、枝肉部分を消費した後、内臓部分は破棄するか、アフリカから連れてきた奴隷たちに食料として分け与えていたという。特に大きな心臓(ハツ)は貴重なタンパク源であるため、奴隷たちは様々な工夫を凝らして美味しく食べられるよう調理した。ニンニクや唐辛子、クミン、塩、コショウを混ぜた酢に漬け込み、焼いて食べる方法は今もほとんど変わっていない。この店の「アンティクーチョ」も、香辛料を効かせた牛のハツの串焼きのことを指している。


アンティクーチョという料理には、牛肉や鶏肉、魚介類、野菜を串に刺して焼いたものなど、いくつか種類があるが、ペルー料理でアンティクーチョというと、牛ハツの串焼きを指すのだそうだ。

 一串に3切れのハツが刺さっており、付け合せにはホクホクの焼いたジャガイモが乗っている。お好みで唐辛子のソースを付けていただく。しっかりと味がついており、柔らかい。男性なら一人で一皿二串いけるだろう。

ペルー料理といえば魚介をたっぷり使った前菜のセビーチェも美味しいが、ここで試していただきたいのはタクタクという料理だ。お米を使った料理にはスペイン料理のパエリアに似た煮込み料理もあるが、“Tacu-Tacu”は煮豆とご飯をフライパンで固めて焼いたものだ。これに魚介の入ったソースを絡めてさらに美味しくしたのは、実は、19世紀末にペルーに渡った日本人であった。新鮮な魚介類を料理に加えるという発想はペルー料理に大きな影響を与えただろう。タクタクを崩しながら出汁の効いたクリーミーなソースを絡ませて食べる。

 パラグアイのお隣、ペルー料理のレストラン「La Carossa」で、ぜひ一度ご賞味いただきたい。IT


アンティクーチョ 30,000Gs


魚介ソースのタクタク 100,000Gs


カイピロスカ(ウォッカとレモンのカクテル) 25,000Gs


12月の店内はクリスマスムード

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