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PBN No.203コラム『ビーチサッカーがなぜ?』


 厳密にいうと、パラグアイはまだ春ではあるが、既に猛暑が続き、夏が到来したといっても過言ではない。

 夏といえばビーチ、ビーチといえばビーチバレー、ビーチサッカーが思い浮ぶ。その「ビーチ」、内陸国のパラグアイでは、河川沿岸に造られた数少ない人工的なビーチを思い浮かべる。


 今、パラグアイで行われているFIFAビーチサッカー・ワールドカップは、初めて内陸国で開催された国際大会となった。

 話は逸れるがこの機会に、PBN183号で紹介したスポーツ庁(SND)のスポーツ施設と同様の役目を担うパラグアイオリンピック委員会について少しコメントする。

 同委員会も広大な敷地をアスンシオン国際空港に隣接する場所に所有し、さまざまなスポーツ施設を運営している。

 敷地内には、今年7月に約440万ドルの投資を受けたパラグアイ・サッカー協会が新たなオフィスビルを落成した。続いて、今大会のために協会は、同じ敷地内に約500万ドルを投じて、3,150人を収容できる常設のビーチサッカースタジアムを完成させ、多額の費用をかけたインフラ整備といった、近年の建設ラッシュの一部となっている。

 さて、今大会のために新設され、会場となったパラグアイで唯一のPynandiアリーナ(グアラニ語で裸足を意味する)は、常設施設として川から取り出した砂を敷いたフィールドという、完全に人口的なスタジアムとなった。通常はビーチに仮設の会場を構築し、自然の砂のフィールドを利用することから、砂の質や、深さなどといった点では若干異なった環境となった。

 そして、このビーチサッカーは、試合環境が制限されていることもあり、パラグアイでもそれほどポピュラーなスポーツではない。しかし、今年5月にブラジルのリオで開催された南米大会でパラグアイはアルゼンチンを降し、3位と言う好成績を収め、今大会の出場権を掴んだ。そこで、なぜ、強いチームが誕生するのかという疑問がわく。


 一般の人が公共の場でよく行うスポーツといえば、サッカー、フットサル、そしてフットバレーである。三つ目のフットバレーは、知名度は低いがシンプルなスポーツである。バレーボールコートにバレーボール用ネットを張り、2対2で足だけを使ってプレーするビーチバレーに似たスポーツで、小さなスペースがあれば砂のフィールドではなくても出来ることから、地方でもよく見かける。仕事を終えた労働者がプレーし、観戦に立ち寄った人たちが、勝敗にお金やビールを賭けて楽しむストリート系のゲームである。フットバレーでは過去にパラグアイチームが優勝している。

 足を使うという共通点はあるものの、やはりビーチサッカーとは違う。しかし、サッカーへのパッションと手足の起用さを武器に若手プレーヤー達がこのようなマイナースポーツを盛り上げ、牽引しているのかもしれない。


 コラム執筆時点で、パラグアイは予選敗退、日本は全勝して1次リーグを一位で突破している。PBN発行時には、もしかしたら、予選を勝ち抜いた日本代表の決勝戦を残すのみとなっているかもしれない。これを機会にビーチサッカーとフットバレーの知名度が上がれば、幸いである。YM


Pynandiアリーナのビーチサッカーフィールド

リオで開催された2016年の世界フットバレー


選手権大会、パラグアイチーム優勝


2016年世界フットバレー選手権大会で

優勝したパラグアイ代表


パラグアイサッカー協会:

https://www.apf.org.py/

ビーチサッカー日本代表:

http://www.jfa.jp/national_team/beach_2019/member/

FIFAビーチサッカーワールドカップパラグアイ2019 公式サイト:

https://www.fifa.com/beachsoccerworldcup/

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