PBN No.200コラム『街を彩る街路樹の花』
アスンシオン市は「緑の首都」言われており、木々の多い緑豊かな街である。
公園にも木陰を生む木々は多く植えられ、植林は芝生よりも重視されている。パラグアイでは架空配線につき、変圧器や配電線など電気の配電設備はすべて頭上を走っているが、街路樹は多く、強風がある度によく停電を引き起こすほどである。
インフラへの影響や落ち葉問題はさておき、今回は花の咲く街路樹にフォーカスして、色鮮やかに街を飾る亜熱帯の木々をいくつか紹介する。
そう言いつつも街の街路樹の多くは市が計画的に植えたものではなく、道路に面する土地の所有者がそれぞれに植えたものや自然木も多い。したがって、一貫性には欠けるが、うまくミックスされており、その場所独自の魅力となっている。
春、初夏にかけて花だけ、または葉と共に花を咲かせ市民を魅了させる、亜熱帯気候に適した花木は以下である。
ラパチョ(Lapacho/ Tabebuia):一番ポピュラーな花木で、赤、ピンク、黄色、白の花をつける数種類があり、白は突然変異で生まれる珍しい種である。春にかけて、寒さが終わる頃に咲く満開のラパチョは迫力ある。
チバート(Chivato/Delonix regia):マメ科の大木で、大柄な濃いオレンジ色の花をつけ、夏の到来を感じさせる。40~50センチにもなる大きな硬いさやをつける。
ハカランダ(Jacaranda mimosifolia):紫色の小柄な花であり、一見控え見に感じられるが、空模様や背景によってはとてもよく映え、豪快である。暑さの中でも花は長続きし、カスタネット状の硬い実をつける。
金の雨(Lluvia de oro /Laburnum anagyroides):濃い黄色の花で、藤の花のように垂れ下がり、満開になると迫力ある。
Yvyra Pytã/Peltophorum dubium:こちらも濃い黄色の花であるが、葉と一緒に開花するため、ラパチョとは違った個性を持つ。
センダン(Paraíso/Melia azedarach):淡い紫色の花が特徴的であるが、葉の濃い緑と重なり、他の花木と比較するとかなり控え目な印象がある。
もしかしたら普段何も気に留めず、これらの樹木の下を素通りしているかもしれない。花の咲く期間は短いが、今が旬のハカランダ、これから咲くチバトなどを、是非楽しんで頂きたい。YM
ラパチョ(Lapacho/ Tabebuia)
チバート(Chivato/Delonix regia)
ハカランダ(Jacaranda mimosifolia)
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