PBN No.192コラム『Kaiseki Sushi Bar』

　パラグアイで「SUSHI」と聞くと、サーモンやアボカド、チーズなどを使った見た目のカラフルな巻き寿司を思い浮かべる。海のないパラグアイで寿司を食す際、輸入サーモンを使った巻き寿司がメインとなる。タコやマグロも見かけるが、魚を選ぶ余地は他に無い。その他の具材には野菜やフルーツを用いる。あまり黒いビジュアルの食べ物を好まないからだと聞いたことがあるが、見た目の美しさからか、海苔は酢飯の内側に巻く、白ごまをまぶした裏巻き寿司も王道だ。

　大手ショッピングモール内のフードコートにも出店し、アスンシオンでチェーン展開する日本食や中華などアジア創作料理を扱う店で振舞われる「SUSHI」というものはこれらのことだ。やや値の張る本場仕込みの日本食には手を出しにくいが、手軽に味わいたいという日本文化ファンの若者から、ダイエットや健康志向を意識した中年層まで、創作「SUSHI」は人気の食の一つである。

　今回はそんなパラグアイのSUSHIを提供する店の一つ、「Kaiseki Sushi Bar」をご紹介する。

　海苔の代わりにチーズや卵、サーモンの切り身を巻いた軍艦や手巻き寿司、揚げ巻き寿司、「SUSHI MIX」という寿司セットも選べる。5種類のセットメニューは人数に合わせて14個、20個、42個から選択でき、これにエビフライなど揚げ物中心の「MIX FRIED」（20個110,000Gs）が新メニューとして加わった。醤油と別にそれぞれに特別ソースがあり、今回頼んだものには、ゴマたっぷりの甘辛ゴマソースと、辛くないスイートチリソースが付いた。

　SUSHIバーと謳ってはいるが、一番食べていただきたいのは、スープメニューにある味噌ラーメンである。ラーメンと表記はあるが、麺はあくまでも具の一つ程度にしか入っていない。メインはエビや貝のだしが効いたスープだ。焼いたネギは甘く、とろみのあるオレンジ色のスープは味が濃く、塩気を強く感じるかもしれないが、酒の進む濃厚な味だ。料理やデザートの盛り付けも華やかな「Kaiseki Sushi Bar」、一度試してみてはいかがだろう。IT