PBN No.187コラム『Castillo Palmerola城』
Areguaの街の片隅にたたずむ「お城」と看板をかかげる中世の建物「Castillo Palmerola」。街自体がコンパクトであることからAregua聖堂、旧鉄道駅、Ypacaraí湖、陶芸品の展示販売店の多い大通りからも歩いて出向ける位置にある観光スポットの一つである。
お城と呼ばれるこの建物は、かつてのパラグアイの独裁者Mariscal F. S. Lopez大統領の事実上の夫人Eliza Linch女史が1863年に公邸として建築を開始した。
しかし、1869年には三国同盟戦争でブラジルの部隊に抑えられ、未完成に終わった。その後、30年以上の年月を置いた1897年にC.Ayala de Palmerola氏が購入、完成させた。 中世の名残りが残る地上二階建ての屋上付きの建物は、天井が高く、建物全体のバランスが整っている。ヨーロッパのお城をモデルにした造りで、のこぎり型狭間(ツィンネ)に囲まれた屋上テラス、そびえる二本の塔が備えられ、一段高い二階にある大きなバルコニーが公邸らしさを醸している。屋上に登り、周囲を囲む雑木林の隙間からかすかに望むYpacaraí湖の静かな佇まいには、当時と変わらない雰囲気がある。
また、二階は当時の写真や、生活環境を伺い知る資料、中世フランスのファッション誌などが展示される博物館になっている。
現在、ドミニコ会修道院が所有管理するこのお城は、月に一度だけ一般公開され、六歳以上の一般客からの入場料収入やそこで開催されるイベントの収益で維持されている。
取材に訪れた日曜日はちょうど出店イベントが開催されていて、晴天にも恵まれ多くの観光客やデートを楽しむカップルで大変賑わっていた。
また、国の文化財として、近郊の工芸品売り場、この時期限定のイチゴフェスティバル、Aregua聖堂などを組み込んだ観光ルートの一部となっている。
現地の人や観光客にも人気が高いリピーターの多いAreguaの街に、是非「Castillo Palmerola」の開園日と日程を調整して立ち寄ってみることをお勧めする。YM
Castillo Palmerola城外観
屋上からの Ypacaraí湖方面の景色
場所: https://www.google.com/maps/place/Castillo+Carlota+Palmerola/@-25.3052361,-57.3838632,17z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x945db14f2d366afd:0x1c38a576757a6c94!8m2!3d-25.305241!4d-57.3816692
開園日:第一日曜9時~17時、その他日曜15時~17時
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