top of page

PBN No.184コラム『創業130年を越えるパラグアイ料理のレストラン「San Miguel」』

 レストランの名前を公に伝えた最古の印刷物は、1886年7月、”Recreo San Miguel”と記したイタリア系移民向けの新聞「La Colonia Italia」である。その当時、この店は家族の再会のための場所であり、余暇のひと時を過ごす場所であり、酒や葉巻、新鮮な牛乳、ハム、チーズ、魅力的なイタリア・ジェノバ料理を味見できるグルメの中心地であった。

1940年代以降、旧チェコスロバキア出身のWalter氏とElena Mandelik氏の夫婦は、地中海のイタリアンにチェコスロバキアの田舎の素朴さを補い、より風味豊かに、より色彩鮮やかに、時間をかけて店ならではの味をつくり上げてきた。

 1971年にはRamon Maciel Menduza 氏と Elvira Rojas Deggeller氏の夫婦が新たなオーナーとして迎えられ、“San Miguel”の特徴とドイツの美食文化を見事に 伝統ある人気店の夜は賑やかで、平日でもテーブル席は家族連れの客で埋まっている。メニューにはミラネサ(牛カツ)やスルビの魚料理、牛肉のグリル、パスタ、そしてドゥルセ・デ・マモン(パパイヤのコンポート)、アロス・コン・レチェ(お米と牛乳のデザート)などのパラグアイの伝統料理が並ぶ。この日頼んだのはチーズチキンカツ(49,000Gs)と、店の名の付いたビーフステーキ(86,000Gs)だ。カツの中にチーズを挟んだものを想像していたが、San Miguelのそれは大胆にチーズを後からかけるタイプだった。レアで柔らかいステーキには目玉焼きが2つのせられ、どれもボリューム満点である。

芸術、文化、宗教、専門、ビジネス、そして政治面で活躍した何百人もの人々が、130年を越える店の歴史と共に過ごしてきた。幾多の政治やスポーツのプロジェクトが映し出された壁面の展示写真には、恋人や家族と写る人々の喜びの瞬間もまた、残されている。この店はアスンシオンの美食と社会の歴史の一部なのである。IT


店内奥のテーブル席から


「Milanesa de pollo」サラダが付けられる


「Bife San Miguel」


外には花の咲いた緑の天井に焼き物の照明が灯る

Commentaires


特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page