PBN No.180コラム『和食とペルー料理のフュージョン!「Osk COCINA NIKKEI」』
店内に入ると、スタッフ達の「いらっしゃい」の声で出迎えられた。中は暗めの間接照明で、奥に構える寿司カウンターがショーステージのように輝いていた。天井には一面、神社のおみくじのような紙がまるでインスタレーション作品のように吊るされている。土曜の夜、道路側のいくつかのソファー席を残し、予約でほぼ満席だというこの店は、パラグアイ人にも大変人気のようだ。
この和食とペルー料理のフュージョン料理を振る舞う「Osk COCINA NIKKEI」は、6つのレストランやバルが立ち並ぶPlaza de Comida内の店舗のひとつである。
使い捨て紙ナプキンが主流のパラグアイで、日本の飲食店と同じように、まずおしぼりが出されたことには感動した。ナイフとフォークではなく箸が置かれており、どの客も器用に箸を使って料理を楽しんでいる様子もなんだか嬉しかった。
世界でも美食と名高いペルー料理と和食のミックスはおいしくないはずがない。アスンシオンには日本食レストランがいくつかあるが、ホタテのにぎりを食べられるのはきっとここだけではないだろうか。他にはメジャーなサーモンや白味魚、和牛、炭火焼きの豚肉のにぎりもある。メニューの名前には日本語を用いているものが多い。「NIKKEI」はエビフライと白身魚、アボカドを具に、ゴマや揚げたトウモロコシを砕いたものを振りかけた巻き寿司だ。
ペルー料理は醤油を使ったものも多く、味付けは日本人の好みに合っていると感じる。店の名前を冠した丼メニューの「Osk WOK」は、上に乗せる肉や魚は好みに合わせて選ぶことができ、エビとサーモンを選んで海鮮丼にしてもらった。下のご飯はタレのかかった白米ではなく、醤油で濃いめに味つけたチャーハンのようで、甘辛いご飯だけでもお酒が進む一品だ。
カクテルの出し方も非常に凝っている。湯呑み茶碗のような器の蓋を開けると、薬草を燻した煙が立ち上り、飲むとその独特の香りも一緒に鼻を通る。見た目や香りにもこだわったユニークな演出で、来客はすっかり店のファンになることだろう。
メイン料理だけでなく、お通しやソースまで美味しい「Osk」、パラグアイに来た方へのおもてなしや特別な方とのひと時に、おすすめしたい店舗である。IT
白衣の板前のいるカウンター横には黒いスーツのバーテンダー
砕いた大粒のコーンやごまやのりはふりかけのような懐かしい味
上の海鮮は調理済みでそれぞれ味がついている
お通しは、魚のほぐし身と野菜の春巻き
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