PBN No.171コラム 『La Galette』
皆さん、『ガレット』という食べ物をご存知だろうか? 写真から想像するに、また見た目からなんとなくサラダを乗せたクレープのようなものかと思っていたが、全くの別物だった。原料に蕎麦粉を使う、フランス北西部の郷土料理なのだそうだ。
“丸く薄いもの”をあらわすガレットを店名に掲げる今回のお店は、アスンシオンで人気のカフェの一つだ。
初めて訪れたその日はお昼少し前、近くの学校のお迎えラッシュの時間帯、まだ店内が落ち着いているうちに滑り込めた。取っ手が大きな“スプーン”になっている扉を開くと、大きな窓辺の心地良さそうなソファ席にはすでに、常連客らしき女性たちが楽しそうに談笑している。ゆっくりとメニューを選ぶことができたが、いろいろなメニューとショーケースに目移りする。
メニューにはガレットを始め、サンドイッチやモーニングメニュー、小麦粉で作ったクレープメニューもある。お目当のガレットから「Fermiére」と「Complete」を注文し、ナチュラルジュースも美味しいと聞いていたので、その日のメニューから「庭のグアバジュース」を頼んだ。
茶系のトーンでまとめられた店内は、壁一面古い小道具だらけだ。コーヒーミルや計り、昔のラジオや黒電話、入口付近を振り返ればレストランなのに信号機まであるのだ。あれこれ眺めていると料理を待つ時間があっという間に過ぎる。店内には、オーナーの“お気に入り”が詰まっている感じだ。
さて、和食が大好きな私は、蕎麦と聞いたら口の中は天ぷらと冷たいつけ汁を待ってしまうのだが、すっかりフランスの畳んだお蕎麦『ガレット』のおいしさにはまってしまった。食べる際はぜひレッドペッパーをたっぷり振りかけて食べていただきたい。
ガレットの他にサラダも頼んだが、デザートはもちろん、マカロンやタルトなどちょっとしたお土産にもできる可愛らしいスイーツも並んでいる。ガレットは薄いように見えるが食べ応えは充分で、スイーツはまたの機会に延期した。
早朝から開いていることもあり、混み合うランチ時を避けて、朝ごはんとして訪れるのもおすすめだ。
住所:Florida 877 c / San Agustin, Asunción. 電話番号:021 214 646 営業時間:月曜〜金曜 7:00〜17:00、土曜 9:00〜16:00 駐車場:なし
お店の入り口からテラス席も見える
カウンター席も充実している
おしゃれな店内
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