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PBN No.165コラム 『アットホームなカクテル専門店「La Casa Del Mojito」』

パラグアイで定番のアルコール飲料と言えば、“ビール”次いで“ワイン”が挙げられる。リキュール類はあまり一般的ではなく、数年前まで、サトウキビから精製された“ラム”系の酒を購入すると、周囲から笑われることも珍しくなかった。近年路上やあちこちで“Trago”と呼ばれるカクテル類が販売されるようになったものの、まだまだ日本の様に身近とは言えない。


 今回紹介するのは、『La Casa Del Mojito』という、リキュールやカクテルを中心に販売するバーである。アスンシオン・セントロの外れの人気観光地『Loma San Jerónimo』、一番の撮影スポットとも言えるタイル張りの階段の中ほどにあるこのバーは、その名の通りモヒートやカイピリーニャ、ダイキリ、マルガリータなど、日本でもおなじみのカクテルやスムージーの販売を専門としている。


 地域一帯にアーティスティックなデコレーションを施す、アスンシオンで初めての地区観光開発が行われ、2013年にリニューアルされた『Loma San Jerónimo』地区は、独特の地形を利用した小路、カラフルな住宅が特徴的で、国内外の観光客が多く訪れる場所として知られている。この観光事業に興味を持ったという店主は、同年にこの地区の路上でカクテルの販売を始めたという。もともとバーで働いていたため、カクテルの作り方には精通していた。そのカクテルの味はすぐに観光客の間で話題になり、3ヶ月後に家の敷地を開放し、訪問者の休憩スペースとして、お酒を楽しむバーとして、天候に左右されずに営業できる現在の店舗をオープンしたという。

 最近は、街角でも“カクテルスタンド”はよく見かけるが、開業当初、カクテルやスムージーを販売するような店舗は他になかったという。その後、この地を訪れる観光客からの評判を後押しに、軽食などのメニューも追加していった。

 アルコール以外のメニューには、ベジュ(タピオカ粉のトルティージャ)とコシード(焙煎マテ茶)のセットがある。5,000グアラニーとお手頃価格で、ボリュームもあり、小腹が空いた時にお勧めしたい。他にも、予約するとミラネシータ(一口かつ)やマンディオカ・フリッター(キャッサバ芋のフライ)、唐揚げやスイーツも提供してくれるという。グループでのパーティーにも最適である。

 このバーの壁は無数の落書きで埋め尽くされている。訪れた人がメッセージやサインを記念に残していったもので、ここにはお店の歴史と、訪れた人々の気持ちが詰まっていると店主は語る。階段を上るとテラス席があり、眼下に広くパラグアイ河を眺めることができる。沿岸の再開発事業で付近一帯からの展望は、以前に比べ随分と狭くなったように感じるが、この店のテラスは独特の開放感があり、のんびりとお酒を楽しむことができる。

 人気の観光地で最も目に付く立地にあるバーとはいえ、温かい雰囲気と気さくな接客のお陰で、忙しいイメージや、敷居の高さ、圧迫感は一切無い。リラックスして、片意地張らず、本格的なカクテルを楽しむことができる。『Loma San Jerónimo』を訪れたら、立ち寄ってほしいアットホームな癒し空間、休日のリフレッシュタイムにお勧めしたい。TT



住所: 595 Escalinata Loma San Jerónimo C/ Agustín Barboza

電話番号: 0984 416586(ベジュを除く軽食は予約制)

営業時間: 土曜16時~ 、日曜12時~




お酒の味がしっかりとするモヒート。パラグアイのカクテルは甘みで味がぼやけることもあるが、ここのモヒートはミントの爽快感、お酒の存在感、甘みのバランスがいい。



中からチーズが溶け出す“ベジュ”。


壁にはパラグアイ歴代のナンバープレートと、来訪者のサインとメッセージ



階段を上るとテラス席。 “La Casa del Mojito”の看板が目印


撮影スポットとして有名なタイル張り階段の中ほどにあるエントランス


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