PBN No.122「マリオ・アブド・ベニテス氏（Mario Abdo Benítez）、新大統領に当選」

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　4月22日の大統領選挙で、与党・赤党のマリオ・アブド・ベニテス候補者（Mario Abdo Benítez）が大統領に選出され、今年8月に就任する。同氏は選挙で、野党連合“Alianza Ganar”のエフライン・アレグレ氏(Efraín Alegre)への投票を上回り、ライバルを破った。（Wikipediaによると、99.67％開票で、Mario A. Benitez氏1,205,310票、Efraín Alegre氏1,109,309票とある。）

　国家選挙管理機関TSJEのJ・Bestard代表は、96％の開票の結果、二人の主な候補者の獲得票差は逆転しないと確定し、「当選したパラグアイの新大統領はマリオ・アブド・ベニテス氏だ。」と述べ、「選挙管理システムTREPによると、パラグアイ共和国の新大統領はマリオ・アブド・ベニテス氏であり、開票入力が終わり次第、上院議席の結果入力が始まる。」と、選挙当局（TSJE）の最高責任者は記者会見で補足した。

　与党・赤党（ANR）は今回の総選挙で政権を維持し、かって、2008年に一度だけ実現した野党・左派政党への政権交代を今回も阻止した。

　マリオ・アブド・ベニテス氏は、オラシオ・カルテス現大統領に代わり8月に大統領の座に着く。TSJEの投票仮結果の伝送及び集計システム（TREP）では、赤党は野党立候補者のエフライン・アレグレに明らかな差を付けた。選挙管理機関によると、仮開票結果投票率は61％を超え、前回までの投票と比べ民主政権に入って最高レベルの投票率となった。

　ストロエスネル独裁政権時代の中心執行者の子息である彼は選挙運動中、党派的なスピーチを行い、その姿勢はサンペドロ県で開催された選挙運動スピーチに代表される。

　「人々は私に問う。“赤党で我が国を統治するのか？”と、私は答える。“赤党とでなければ、誰と一緒に統治するのか？と、まさか、国民の現状や苦しみを知らない冷めた官僚達と一緒に統治は出来ない、、私は優れた赤党党員と共に、国を治める。”」と、述べている。

　ベニテス氏は彼の政権期間中、赤党の政治家達が持つ役割を尊重する事に焦点を当てると述べ、それが勝利を導いた。一方、ここ数年、政治的理由から距離をおいていたカルテス大統領への、終盤での迅速なアプローチには批判があった。

　また、野党・青党（PLRA）の野党連合候補者E・Alegre氏は選挙直前まで、自身の政見や国民の政治改革の熱意を最後までかきたてることができなかった。彼は愛国的な演説をしていたが、選挙運動は主に赤党攻撃に終始していた。

マリオ・アブド・ベニテス氏の紹介：

　Mario Abdo Benítez氏（愛称マリト）は46歳、旧ストロエスネル政権の政治リーダーの息子であり、土木関連企業家から上院議員になった。最近5年間で赤党の担い手として登りつめ、2017年の大統領候補党内選挙でS・Peña候補を破った。

　Benítez氏は1971年11月10日生まれ、“San Andrés”校で学び、16歳で米国に渡り、独裁政権崩壊後は国外にいた。1995年、米国コネチカット州“Teikyo Post University”大学でマーケティング学士号を取得。また、パラグアイ国軍の訓練を受け、航空予備中尉となり、パラシュート兵に任命された。　

　ビジネスでは当初アスファルト関連のAldia SAの理事長を務め、その後同社株主及び支配人になった。2015年には公共事業大臣から、“Aldia SA社”は2008年から国家の調達企業リストの一社として、年間約200万ドルを受け取っていると非難された。

　『私は○○の息子ではなく、“マリト”である。』と、彼は選挙活動中何度も繰り返したが、彼への家族からの政治的遺産は、赤党サークル内では立派な紹介状としての役割を果たし、他の独立した市民候補には重い負荷となった。

　彼と父の名は同じ“Mario Abdo Benítez”であり、父は35年間の独裁政権下、市民を殺害し、人権を侵害し、反対派や知識者を国外へ追放したストロエスネル独裁者のプライベート秘書であった。彼はマスコミへの声明には慎重だったが、いくつかの党派行動では独裁政権を称賛している。

　Mario Benítez氏の政治活動は2013年から始まった。当初は上院の下位議員からスタートしたが、すぐに赤党の主要反主流派の一人として地位を確立した。

　2015年には赤党党首の候補者となり、カルテス派のPedro Alliana氏に敗れた。その後、彼は上院議長に昇任し、2016年まで議長を務めた。2017年にはカルテス大統領の再選を阻止する、政治的主要人物の一人になった。YM

(http://www.ultimahora.com/marito-gana-las-elecciones-y-sera-presidente-del-paraguay-n1144163.html)